機関誌JAHMC 用語集

この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。

【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。

トヨタ生産方式(TPS)(2008年12月号掲載)

トヨタ自動車工業が、1960年代から70年代に開発したトヨタ式のものづくりの方法を指す。その本質は、徹底したムダの排除であり、それにより価格低減を図ることを狙いとしている。この方式には2つの柱がある。
1.ジャスト・イン・タイム
2.自働化
 ジャスト・イン・タイムとは、例えば、1台の車を流れ作業で組み上げていく時、組み付けに必要な部分が、必要な時にその都度、必要なだけ、生産ラインの脇に到着することをいう。その状態が全社的に実施されれば、物理的にも財務的にも経営を圧迫する「在庫」をゼロに近づけるであろうと考える。
 この生産の流れを逆にみて、「後工程が前工程に、必要なものを必要な時、必要なだけ取りに行く」と考えれば、「前工程は引き取られた分だけ作れば良い」ということになる。前工程の最前線では、消費者のニーズや要求に合わせて作れば、生産のムダはなくなると考えられる。この流れを円滑にするのが「かんばん」であり、かんばんは部品の「引き取り情報」、または「運搬指示情報」として重要な役割を果たす。
 一方、「自働化」は、「自動化」ではなく、あくまで人べんの付いた「自働化」であるとされている。意味するところは、機械に人間の知恵を付与すること。製造過程で不具合や欠陥が生じた場合、機械に良し悪しの判断をさせる装置をビルトインして、直ちに停止する仕組みにしておく。
 トヨタでは2つの考え方を機械だけではなく、作業者のいるラインにも拡大している。
 ジャスト・イン・タイムはシステム化と連携プレーを旨とし、自働化は生産現場における重大なムダである作り過ぎを排除し、不良品の生産を防止する役割を果たす。
(大野耐一「トヨタ生産方式?脱規模の経営をめざして」による)
 こうしたTPSの根底には集約して次のような4つの原則が働いていると「ザ・トヨタウェイ」(日経BP社刊)の著者・ジェフリー・K・ライカー氏は述べている。
・ 長期的な考え方(哲学)。
・ 正しいプロセスが正しい結果を生む。
・ 人とパートナー企業を育成して会社の価値を高める。
・ 継続して根本問題に取り組んで組織的学習を行う。