機関誌JAHMC 用語集

この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。

【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。

地域連携パス(地域連携診療計画書)(2006年05月号掲載)

広義な定義としては、急性期より慢性期に至る医療機関個々の患者の診療計画を地域まで延長し、保健・福祉のサービスを連動させるものをいう。取り組みは2003年頃から始まった。
 目的は医療機関の利用者(患者)が安心して円滑に地域での生活にもどり、早期に社会復帰できるようにすることであり、これまで全国各地で各疾病、病期、病態での地域連携パスに関する様々な取り組みが行われてきた。
 厚生労働省は地域連携パスが医療制度改革の目指す機能分化をより効率的に進めるうえでも必要なツールとなりうると判断し、2006年度(平成18年)診療報酬改定において、まず「大腿骨頸部骨折」について限定的に導入、評価を行うこととした。
 以下「大腿骨頸部骨折」の地域連携パスを例として説明する。主に急性期病院から回復期リハビリテーション病院に患者を転院させる際、急性期病院は自院の行ったパスによる治療内容を回復期リハ病院に渡し、逆に回復期リハ病院は治療終了後の経過を急性期病院にフィードバックする。この連携を円滑にするためには一連の治療内容をあらかじめ治療計画としてパスに作成しておく必要がある。
 一見簡単な話のように思えるが、急性期病院が重要視する情報と回復期リハ病院が重要視する情報には差があるため、あらかじめ必要な情報の共有化が必要であり、なにより連携機関同士の治療内容が連続し、かつ標準化されている必要がある。
 そこで連携パス作成に際しては相当な事前協議を重ね、急性期病院は転院基準(転院のアウトカム)を明確化し、回復期リハ病院は退院基準(退院のアウトカム)を明確化しなければならない。
 将来的には急性期、回復期ともに質の向上と在院日数短縮による効率化が実現され、さらに医療資源の節約に結びつけるのが、この制度の大きなねらいである。
 ちなみに診療報酬点数による地域連携パスの評価は以下のとおりである。
・地域連携診療計画管理料(入院時)     1,500点
 地域連携パスの対象疾患の患者に対し、地域連携パスに基づいた診療計画を説明し、その診療計画書を文書にて患者または家族に提供した場合に、入院時に算定できる。
・地域連携診療計画退院時指導料(退院時)  1,500点
 地域連携パスの対象疾患の患者に対し、地域連携パスに基づいた退院後の療養計画を説明し、その療養計画書を文書にて患者または家族に提供した場合であって、紹介元の連携医療機関に対しその診療情報を文書にて渡した場合に退院時に算定できる。