診療(介護)報酬
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病院の紹介率について、自施設のホームページなどで公開している病院が多くありますが、その数字の計算には周辺の施設の紹介(診療報提供書を持参の患者)と救急搬送がともに含まれていると理解しています。
DPCデータにおける「他施設からの紹介あり」の数値は、純粋に紹介状を持参した患者の数と理解し、施設の地域連携、特に開業医や周辺のクリニックなどとの連携度合いはこのDPCの数字(病院が公表する数字よりも少ない)を見るべきと考えているのですが、間違いないでしょうか?
また、放射線治療などは外来で行われることが多く、DPCデータは入院に関するデータのみなので、外来で行われている放射線治療や化学療法の数は入っていないという理解でよろしいでしょうか? ご教授いただければ幸いです。 -
まず、「紹介率」には、下記のとおりいくつかの定義があります。
・地域医療支援病院の承認要件の紹介率 紹介患者数÷初診患者数
・初診料の減算規定の紹介率 (紹介患者数+救急患者数)÷初診患者数初診患者のうち、地方公共団体または医療機関に所属する救急自動車により搬入された患者、救急医療事業において休日または夜間に受診した患者等を除きます。そのため、各病院が発表している紹介率の計算方法は、個々の病院で異なることがあり得ます。
一方で、公開されているDPCデータの「他院よりの紹介の有無」を参考とした場合は、基本的に紹介状により入院(退院)した患者の数が公開されています。ただし、外来のみ受診の患者や、一般病棟以外の病棟に院内転棟とした患者などは含まれていないため、実態と異なる可能性があり得ます。
現状では、上記を踏まえた上でDPCデータを活用いただく以外に、方策はないものと思われます。
また、公開されているDPCデータでは、放射線治療や化学療法の数については入院のみで、外来は含まれていない状況です。(参考)他院よりの紹介の有無の定義(DPCデータ)
保険診療における紹介割合の計算の対象となる文書により紹介された患者(ただし、救急用自動車で搬送された患者を除く。)の場合は「有」の”1″を入力する。具体的には、紹介状等の文書を確認できる場合に限り「有」の”1″を入力する。また、電話紹介、名刺による紹介等、確認ができない場合は「無」の”0″を入力とする。
入院の多くのケースは、紹介された後、自院の外来を数回受診して入院となるが、この場合には、他院よりの紹介「有」と考える。
過去に紹介により通院していた患者が入院になった場合、紹介された時点と同じ又はこれに関連する傷病のときであっても、紹介された時点と関連のない傷病の時であっても、過去に紹介状の確認ができていれば他院よりの紹介「有」として判断してよい。
紹介の有無は初診時まで遡ることが望ましいが、事情により実施が困難である場合は、今回の入院(診療録)における他院よりの紹介の有無で判断してもよい。出典:厚生労働省「2023年度「DPC導入の影響評価に係る調査」実施説明資料 2023年4月3日」
回答日【2018.1.9】