診療(介護)報酬

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病棟転換後の、日中・夜勤の看護配置について教えてください。
現行は60床(医療療養病床49床、介護療養病床11床)ですが、60床(地域包括ケア病床23床、療養病床37床)への移行を検討しています。

ご質問のケースでは、「病棟単位が1つ」なのか、それとも、「病棟単位が2つ」なのか(病床によって病棟が異なるのか)によって、基本的な看護配置の考え方が異なってきます。おそらく病棟単位が1つの病院ではないかと推測されますので、以下では病棟単位が1つの場合を前提に述べさせていただきます。

1.現行病棟での日中・夜勤の看護配置
 まず、現行につきましては、「医療療養病棟」の中に「介護療養病床」を病室単位で届け出ている病院と推測されます。その場合、基本的な看護職員配置は、1日平均患者数に対して20対1の配置が求められます。
 そのため、仮に1日平均患者数が58人としますと、
・1勤務帯当たりに必要な看護職員は、58人÷20=2.9人
・1日(3交代)に必要な看護職員は、2.9人×3=8.7人=9人(小数点以下切り上げ)
 となります。
 上記の1日に必要な看護職員9人を、日勤と夜勤に振り分けることになります。
 療養病棟入院料では、夜勤帯に看護職員を最低1人以上配置する必要がありますので、現行の看護職員の配置は、日勤:7人、準夜勤:1人、深夜勤:1人が基本となります。
 同様に、看護補助者も20対1で配置する必要がありますので、現行の看護補助者の配置は、日勤:7人、準夜勤:1人、深夜勤:1人が基本となります。

2.移行後の日中・夜勤の看護配置
 次に、移行検討案(地域包括ケア病床23床、療養病床37床)につきましては、前提として、「療養病棟」の中に「地域包括ケア病床」を病室単位で届け出るものと推測されます。
 その場合、基本的に1日平均患者数に対して13対1の看護職員配置が求められます(地域包括ケア病床の看護配置が13対1のため)。したがって、仮に1日平均患者数が58人としますと、
・1勤務帯当たりに必要な看護職員は、58人÷13=4.5人
・1日(3交代)に必要な看護職員は、4.5人×3=13.5人=14人(小数点以下切り上げ)
 となります。
 上記の1日に必要な看護職員14人を、日勤と夜勤に振り分けることになりますが、地域包括ケア病床をもつ病棟では、夜勤帯に看護職員を最低2人以上配置する必要がありますので、検討案の看護職員の配置は、日勤:10人、準夜勤:2人、深夜勤:2人が基本となります。
 同様に、看護補助者は20対1で配置する必要がありますが、上記で看護職員が夜勤帯に2人配置されているため、検討案の看護補助者の配置は、日勤:9人、準夜勤:0人、深夜勤:0人が基本となります。

以上をまとめますと、今回のケースにおける基本的な看護配置は以下となります。
別途、病棟転換を検討する際には、「現在の実際の配置人数」をもとに、現状からどの程度、職員の増員が必要なのかを検討していただく必要があります。

(1)現行(診療報酬上の最低配置)
・看護職員:9人(日勤:7人、準夜勤:1人、深夜勤:1人)
・看護補助者:9人(日勤:7人、準夜勤:1人、深夜勤:1人)
(2)移行検討案
・看護職員:14人(日勤勤:10人、準夜勤:2人、深夜勤:2人)
・看護補助者:9人(日勤勤:9人、準夜勤:0人、深夜勤:0人)

回答日:【2018.5.28】

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