人事管理

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クレームへの対応のポイントについて教えてください

ここでは医療過誤以外のクレーマー対応のポイントを解説します。医療過誤など、 診療において問題が起きた場合は、ハーバード大学病院使用の 「医療事故・真実説明・謝罪マニュアル」を参考にします。 これはQ&A27で詳述します。

最近、悪質なクレームが医療機関や介護施設に広がっています。消費者保護の社会風土から、 「お客様が一番偉い」と根拠のない自信をもち、 医療機関においても自分達の主張が完全に正しいと考える患者や親が増えているのです。 普通の患者さんが、些細なことで激昂し、 待合室でカウンターを叩きながら暴言をはく、 何度説明しても繰り返して来院して暴言を吐き説得しても帰らない、 というような悪質なクレーマーに変わることがあります。 さらに、プロのクレーマー と呼んでも良いと考えられる詐欺的な犯罪が横行しています。 このような犯罪やクレーマー患者に備えておかなければ、 正常な医院経営ができない状況に置かれているといっても過言ではありません。
クレーム対策には、3つあります。

 1.通常のクレームに対するもの
 「クレーム情報を患者満足の向上に活かし、 迅速な処理によってクレーム を知らせていただいた患者さんをファンに変える」 通常のクレームに対しては、クレーム情報を患者満足の向上に活かし、 迅速な処理によってクレーム を知らせていただいた患者をファンに変えることを考えます。 これは百貨店でも歯科医院でも同じです。
 2.悪質なクレームに対するもの
 「医院と従業員を守りながら、最小の費用で二度と クレーマーを来院させない」 悪質なクレームに対しての対応は歯科医院では百貨店と異なります。 悪質なクレームを申し立ててきた患者には治療をしたくないし、 二度と来院して欲しくないからです。 歯科医院では同じ診療所で、院長や従業員が自分で診察しなければなりません。 ですから悪質なクレーマーが来院すると、 まず受付や歯科衛生士などが参ってしまいます。 そして、他の患者さまにも奇異な印象を与え、患者が減少する危険がでてくるのです。 このため、歯科医院では悪質なクレーマーに対しては、 「医院と従業員を守り、 最小の費用で二度と来院させない対策」が基本になります。 そのため、早い段階から法的な対応を検討します。
 3.クレームの発生を防ぐこと
 「できるだけクレームを生じさせない説明や対応を工夫する」 クレーマーに付け入る隙を与えないために、 できるだけクレームを生じさせない対応の工夫が重要です。 そのためには、丁寧な説明や患者対応などの訓練が必要です。

また、クレームには、 長時間待たせたり患者さんに失礼な対応をしたり、 あるいは説明不十分など、医院側の対応に何らかの問題がある場合と、 そうでない場合があります。次のように対処方法を分けて考える必要があります。

 (1)医院の対応に問題や責任がある場合
 丁寧にお詫びし、原因と医院としての対応方法について説明したうえで誠実に対応をとります。 これで納得してくれれば医院を信頼しファンになってくれる場合があります。
 しかし、常識的な対応に納得せず、執拗に高額の損害賠償や慰謝料、 院長への面会など不当な要求をしてくる場合があります。 これには弁護士と相談して毅然とした対応をとります。
 (2)医院に問題や責任がない場合
 ご心配やご迷惑を与えたことをお詫びし、丁寧に説明します。 これで納得してくれれば医院のファンになってくれる場合があります。 医院の説明不足が原因となっている場合があるからです。
 しかし、医院に問題や責任がないにもかかわらず、 執拗に無理な要求をつきつけてくるような場合には、 弁護士と相談して毅然とした対応をとる必要があります。
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