会計・節税対策(キャッシュフロー経営)

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仕入単価を安くするためにまとめ買いは得になりますか。 また、当座買いのメリットがありますか。

1.まとめ買いはお得か

 仕入れの仕方については、まとめて安く買うという考え方が一般には多く取られます。 この場合は棚卸も多くなってきます。 これに対して必要なものを最小限購入するという考え方があります。 在庫も最小限になります。 どちらがよいかあまり意識されていないケースが多いようですが、 稲盛和夫氏の「当座買い」という考え方が非常に重要な考え方だと思いますので、 簡単にご紹介しましょう。

 

2.当座買いの効果

 これに対して、必要な最小限を購入すると、高く買ったように見えますが、 従業員はあるものを大切に使うようになります。 余分にないから、保存スペースも要らない。 在庫が多いということはその分、資金が在庫という形をとって寝てしまうことになります。 また、決算毎に棚卸しをしなければなりませんし、 使わなくなったものがあれば廃棄処分をしなければなりません。 つまり、安く買ったように見えるけれども、そういう目に見えないロスが多くかかっていることになります。
まとめて買ったほうが単価も安く、手間も省けてよいという考え方が一般にはとられます。

 

3.従業員の意識が変わる

 メリットはそれだけではありません。 必要なものを必要な分だけ買うものですから、その使い方には細心の注意が払われ、 無駄遣いをしないということにつながっていくわけです。 在庫がたくさんあれば、ちょっとくらい失敗しても在庫から引っぱり出して作ることができますが、 在庫がない、要る分だけしか買っていないとすれば、 失敗が許されなくなりますし、ものの使い方も丁寧になっていくという心理的なメリットにもつながっていきます。
 まとめて買えば安くなるのだから、 まとめて買ったほうが得ですという単純な経済法則だけではなくて、 当座買いをすれば高く買ったように見えるけれども、若干高くついたとしても、 それを補ってあまりあるメリットがいろいろとあるということを稲盛和夫氏は強く訴えられています。
 ぜひこの考え方で取り組んでいただくことを提唱します。
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