会計・節税対策(キャッシュフロー経営)

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キャッシュフロー経営について教えてください

「儲かっているのにどうしてお金がないんだ」という経営者の叫び声をよく耳にします。
利益がでているのにお金がない。 税金も支払えず、また借金しなければならない。 そんな経営者をよくみかけます。
キャッシュフロー経営を徹底している京セラの創業者稲盛和夫氏は 儲けとお金の関係をバナナの叩き売りを例にとり、わかりやすく説明されています。

バナナの叩き売りのおじさんは、一房50円のバナナを20房仕入てきました。
そのバナナに100円の儲けを上乗せして、150円で売ることにしました。
バナナの叩き売りをするには、台と布と棒が必要です。それらを買うのに1,500円かかりました。
バナナはすべて売れ、手元に残ったお金は、売上3,000円(150円×20房)から、
仕入1,000円(100円×20房)と、棒などの1,500円を差し引いた500円です。
ところが、そこに税務署の調査官がやって来て、「利益は2,000円だから、
1,000円の税金(ここでは、仮に税率を50%とします)を払ってください」と言ったものですから、
おじさんは困り果ててしまいました。手元には、500円しかお金がないのに、1,000円もの税金を払えるはずがありません。
この利益2,000円とお金500円との差額1,500円の行方をしっかりと見極めなければならないのです。

この例のバナナの棒など1,500円は、いわゆる「固定資産」と呼ばれ、 「固定資産」を買えば、経費とはならず、このように利益とお金の間に差が生じます。
つまり、この場合は納税をするために借金をしなければならないということなのです。
利益が出ているからと言って「この程度の機械や設備を買っても大丈夫だろう」 というのが過剰投資や放漫経営で、もっとも危険なケースで、黒字倒産です。
最近は歯科医院の機械も高額になってきました。 利益と納税額、そしてキャッシュフロー をよく計算して購入できるかどうか、見極めてください。
また「毎年の所得が3,000万円」という人も手元に残るキャッシュフローに合わせて 生活をダウンサイジングしなければならない場合が本当に多いのも事実です。 場合によっては標準的サラリーマンに及ばない生活水準に甘んじなければならないかもしれません。

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