会計・節税対策(キャッシュフロー経営)

印刷用ページを表示

個人医院の貸借対照表の活用方法を教えてください。

貸借対照表とは図で表すと次のようになります。
自己資金1000万円、借入金3500万円で歯科医院を始めた場合の開業時の 貸借対照表です。


 

個人医院の場合、貸借対照表は余り活用されていないのが実態だと思います。 なぜなら個人医院の場合、家計と事業が明確に分離されておらず、 たとえば事業から生まれた利益を定期預金をした場合、 その定期預金は個人勘定としてこの貸借対照表には載せない場合がほとんどだからです。 法人事業であれば事業からえた資金を定期預金した場合や、 株式を購入した場合、法人の資産として資産の部に計上されます。 ところが個人の場合はこれを店主勘定としてこの貸借対照表から消し去っていくことができるからです。
その結果どのような貸借対照表ができるでしょうか。
Bの貸借対照表をご覧ください。
借入金は返済して3,000万円になり、固定資産は減価償却して3,500万円になりました。 その間、利益で1,000万円の定期預金ができました。 その場合に、その定期預金は事業用資産から省いてしまうとBのような 貸借対照表が出来上がります。 これは個人事業を行う貸借対照表 として作られることの多い貸借対照表です。
ところがどうでしょう。本当の貸借対照表はCなのです。 定期預金が増え、その分自己資本が増えているのが本当の姿なのです。 Cの斜線部分がまったく抜けてしまったのがBだということです。
このように個人事業の貸借対照表を正確に作成できるようにすることが 実態を捉えるために重要だということがお分かり頂けると思います。 これによって財務状態の 健全性が判断されることになります。


 
 
このページのトップへ