増収・経費削減
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給食業務の外注費用について、当社クライアント(病院:以下、当院という)から相談を受けています。
当院は自治体立病院ですが、患者給食業務を長期間にわたって同一業者へ外部委託・契約しています。現状の契約では、1食当たりの単価(食事療養費の範囲内640円)をベースに、食数等を掛けた金額を契約金額としています。
これに対し業者から、長年、入院時食事療養費の見直しがなされていないことを理由に、消費税取り扱いの見直し、もしくは最低賃金・食材費高騰分の勘案を要望してきています。
当院としては、食事療養費は全国の病院共通であり、限られた収入の中で現契約の金額変更要求に応じる必要性に疑問を感じています。
この問題の前提として、そもそも食事療養費の範囲内で給食を提供することは他病院(特に500床以上病院)でも難しい状況なのでしょうか。他病院における外部委託費の最近傾向と併せてご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 -
給食業務については、2017(平成29)年度に厚生労働省で「入院時食事療養の収支等に関する実態調査」を行っています。
各外注形態別に収支が出ていますが、全面委託、一部委託、完全直営ともマイナス収支となっています。特に一般病院については全国的に同様の傾向にあります。
また、ここ最近では、ご存知のとおり委託会社も栄養士の確保が難しいなどの人手不足の影響もあり、コストが上がってきています。さらに急性期病院などでは治療食の種類が多く運用面が多岐にわたることから、他の業種の給食業務に比べて、委託業者も受けたがらないといった話もよくあります。そういった点で、病院の給食部門の状況は大変厳しいといえます。
診療報酬改定などでは、栄養サポートチームで活動する管理栄養士・栄養士の病棟業務も評価され始めていますが、給食部門に関してはまだまだ課題は山積していると思われます。
なお、すでにご承知かとは存じますが、機関誌「JAHMC」2020年7月号の特集記事も参考になりますのでご一読願います。回答日【2020.9.17】