会計・節税対策(キャッシュフロー経営)
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定期健診が増えると売り上げが減少し、採算が悪くなるのでしょうか。
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「補綴型」から「予防型(メインテナンス型)」へと歯科医院の形態が変わることで、 経営という視点でいいますと、歯科医院の収支構造が変わることを意識しなければなりません。
治療型から予防型(メインテナンス型) に移行すると、売上が下がり、衛生士の人件費が増え、 利益が下がると単純に考えられやすいのですが、本当にそうでしょうか。
たとえば次のような歯科医院を考えます。
売上4,500万円、チェア3台、原価率(材料代技工代)20%、助手2名、給料が各300万円とします。
この場合、チェア一台あたりの収入が年間1,500万円となり、そこから材料代、技工代という原価を引きます。
さらにチェア1台あたりの直接人件費を差し引いた後の粗利益が下記表のとおり960万円となります。
つまり、この960万円がチェア1台がこの歯科医院にもたらしている粗利益だということができます。表1(1) 収入 15,000,000 4,500万円×1/3 (2) 材料代・技工代 3,000,000 (1)×20% (3) 粗利益 12,000,000 (1)-(2) (4) 歯科医師給料 0 (5) 助手給料 2,000,000 600万円×1/3 (6) 法定福利費等 400,000 ((4)+(5))×20% (7) 人件費合計 2,400,000 (4)+(5)+(6) (8) 差引 9,600,000 (3)-(7) それでは1台のチェアを歯科衛生士がメインテナンス専用で使用した場合にどのようになるでしょうか。
メインテナンスの一回単価7,000円、 1日6人、1ヶ月22日とすると1年間の売上は1,100万円となり約400万円減収となります。
さらに1台あたりの利益も表2のように657万円となり約300万円減益となります。表2(1) 収入 11,088,000 1回単価=7,000円 (2) 材料代 554,400 1日人数=6人 (3) 粗利益 10,533,600 1ヶ月日数=22日 (1)-(2) (4) 人件費 0 1ヶ月収入=924,000円 (5) 歯科衛生士 3,300,000 年間収入=11,088,000円 (6) 助手給料 0 (7) 法定福利費等 660,000 ((5)+(6))×20% (8) 人件費合計 3,960,000 (4)+(5)+(6)+(7) (9) 差引 6,573,600 (3)-(8) しかしながら実は、表1には歯科医師の人件費が計上されていないことに注意していただきたいと思います。
個人歯科医院の場合、歯科医師本人の給料は経費には計上されません。 なぜなら個人歯科医院の場合、経営者である歯科医師は、 個人の給料ではなく、所得として最終の差引き利益となるためです。 しかしながら表1の収入は、歯科医師の労働があって得られるのですから、 ここには給料を計上しなければ収益性をとらえることができません。
そこで、歯科医師の所得を(1)経営者としての給料と、 (2)歯科医としての給料にわけ、 (2)の歯科医としての給料を直接人件費としてここに計上することになります。
仮にこの歯科医としての給料を 年間1,050万円とするとチェア1台あたりの給料が350万円となり下記表のように、 チェア1台あたりの利益は衛生士のメインテナンスチェアよりも低いことになるのです。表3(1) 収入 15,000,000 4,500万円×1/3 (2) 材料代・技工代 3,000,000 (1)×20% (3) 粗利益 12,000,000 (1)-(2) (4) 歯科医師給料 3,500,000 1,050万円×1/3 (5) 助手給料 2,000,000 600万円×1/3 (6) 法定福利費等 1,100,000 ((4)+(5))×20% (7) 人件費合計 6,600,000 (4)+(5)+(6) (8) 差引 5,400,000 ?-? このように補綴型から予防型(メインテナンス型) へシフトしていくことにより、医院の採算性は向上します。 ただし、3台のうち1台をメインテナンスに使用したとすれば従来の治療を2台のチェアで行わなければならないか、 あるいはチェア1台を増設しなければならないことになります。
いずれにしても医院のあり方を変えていこうとする際には、 このような収支の視点や会計的な視点がより重要なことになってきます。 さらに経営の計画作りも重要になってくるのです。