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用語解説 た行

この用語解説集は、当協会の発行する医業経営情報誌「機関誌JAHMC(ジャーマック)」でこれまでに掲載された「用語解説」の記事をデータベース化したものです。
【注意】掲載内容については、発行当時の情報に基づいた内容となりますので、現在の状況と異なるものがありますことをご了承ください。

電子カルテ(2006年08月号掲載)

電子カルテとは常識的には診療録を電子化したものであるが、用語の解釈は定まっていない。電子カルテはまた、各種医療情報システム(病院情報システム、診療所情報システム、オーダー・エントリー・システム、部門システムなど)と相互に絡むため、その機能を明確に区分して捉えることは困難である。
 日本医療情報学会は2003年2月、「電子カルテの定義に関する見解」を公表した。それによると、同学会は電子カルテを「通常の電子カルテ」と「ペーパーレス電子カルテ」の2つに分けて定義し、実際にはこの2つの中間に様々な電子化達成度の電子カルテが存在しうると指摘している。

1.通常の電子カルテ(最低限の機能要件)
(1)すべての業種目はカバーしなくても、多くの業種についてオーダー通信システムおよびオーダー結果参照システムが稼働し、それぞれの業種についての診療録情報の基本となっていること。
(2)診療録を構成するすべての情報種はカバーしないが、多くの情報種について同時に多個所で、迅速に、充分に古いものも参照できること。また、それらの情報は様々な軸(時系列、特定の種のもの、特定の診療部門のもの、パスウェイ形式など)で展開参照することが可能であること。
(3)これらデータの将来機種変更後の新システムへの移行を考え、また、不特定の他医療施設との情報連携のためにも、出来る限りHL7、DICOMなどの標準的なデータ形式およびコードを使用していること、さらに、紙やフィルムなどの従来媒体の情報と電子化情報の関連性が損なわないようにすること。
(4)画面を直接参照して、あるいは画面を利用して、患者への情報提供が紙によるものより格段に改善していること。
(5)プライバシー保護が確保される運用であること、また紙やフィルムなどの従来媒体による原本保存を行わない情報種に関しては、電子保存の3条件(真正性の確保、見続性の確保、保存性の確保)を満足する運用であること。

2.ペーパーレス電子カルテ
(1)すべての業種目についてオーダー通信システムおよびオーダー結果参照システムが稼働し、それぞれの業種についての診療録情報の基本となっていること。
(2)診療録を構成するすべての情報種が電子的に扱われ、同時に多個所で、迅速に、充分に古いものも参照できること、また、それらの情報は様々な軸(時系列、特定の科のもの、特定の診療部門のもの、パスウェイ形式など)で展開参照することが可能であること。
(3)1.の(3)、(4)、(5)を満たすこと。

 これらの機能をもつ電子カルテといわれるオーダーエントリーシステムは、別の機能として区別される。後者の機能は、オーダー伝達と結果参照の2つに分けられるが、電子カルテはそのうち「結果」を取り込み、オーダー伝達は前提としていない。
 病院情報システムは、電子カルテやオーダーエントリーよりも広い概念をもつ。患者基本情報をはじめ、オーダー伝達、実施情報、結果データベース、会計、予約、さらには各種部門システムを含むこともある。電子カルテやオーダーエントリーシステム、各種部門システムは、たとえば患者基本情報管理機能を共有するなど、相互に連結して運用される。
 業務の効率化、質・安全性の向上、施設関連の必要性などの観点から電子カルテを導入する病医院は急速に増えている。しかし、電子カルテにしても全体の病院情報システムにしても、完成されたと言えるシステムは未だ存在しない。使い勝手が悪い、老朽化した、高速化したい、新しい機能を付加したい、といった理由から更新の必要性は必ず生じるはずで、その備えとして初期投資、運用費のほかに更新の費用も、導入の際に見込んでおく必要がある。
 政府のIT戦略本部が掲げる「IT政策パッケージ2005」によると、普及率は昨年7月末時点で20.2%となっている。

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